1)脳波測定の際、時定数を0.1とした場合と0.3とした場合の違いについて
1)脳波測定の際、時定数を0.1とした場合と0.3とした場合の違いについて
0.3では0.1より、より大きな波長の興奮を拾う。例えば、時定数0.3では発汗による影響でベースラインが乱れる。このとき時定数を0.1とするとノイズを除去できる。
単極導出:特定波の絶対値を求めることが可能
双極導出:特定波の相対的差を求めることが可能
3)α波成因に関する諸説について
・ニューロンの自発的活動によるものとする節
大脳皮質のニューロンじたいが10Hzくらいの自発的な律動性を持っており、大脳皮質が活動的でないときは多くのニューロンが同期して律動するというもの。
・脳幹部視床のペースメーカー機能によるものとする
視床に発振回路があり、それによってコントロールされているという考え
・大脳皮質と脳幹部視床の反響回路によるものとする節
この間の多数のシナプス結合回路をたどって活動電位が巡回するのに100msec(10Hz)程度かかることによるという考えから
4)開眼によるα抑制の機序について
開眼することにより視覚情報を処理したりして、大脳皮質が活動的でないとき多くのニューロンが同期して律動していたが、その同期性が大脳皮質の活動によって乱れるためα波の振幅が減少したり、消滅したりした。
5)睡眼時の脳波について
睡眼時の脳波は徐波成分が多くなるが、レム睡眠時には入眼初期と同様のパターンが見られる。徐波睡眠中は副交感神経優位になり呼吸循環機能は低下する。
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入眠期:α波の振幅が減少して前頭部や頭頂部に低振幅のθ波が出現する
A
軽睡眼期:脳波は全体として平坦化し、紡錘波があらわれる
B
中等度睡眠期:徐波(δ波)が現れるが紡錘波ものこる
C
深睡眠期:大きな振幅のδ波があらわれ紡錘波は消失する
レム睡眠期:書く政治の低振幅の速波を示す。
6)脳波検査で明らかにされることについて
脳の機能的以上をその形態的以上よりも早い時期に発見することが出来るため、大脳半球や脳幹の急性進行性疾患である、てんかん、代謝性脳症、脳炎による意識障害の症例、脳死が疑われる症例などが診断される。
7)正常脳波に影響を及ぼす因子について
精神的活動や生理的環境のほか、年齢、意識状態も影響を及ぼす
8)導出部位により信服の異なる理由
骨の暑さは振幅に影響する。後頭部は前頭部よりも骨が薄いため振幅は大きく出る。
9)脳波の発現機構
EPSPとIPSPのシナプス電位が脳波形成に関係する
10)誘発脳電位
感覚受容器や神経を通した外界からの刺激に誘発された脳電位のこと
11)脳波測定のおけるアーチファクトについて
脈波、眼球運動、まばたき、発汗、体動、歯ぎしりなど
12)脳波の分析方法について
高速フーリエ解析があり、脳波を調和的関係にある正弦波の集まりであると仮定して構成要素となる周波数成分を分析する方法である
13)異常波ブカツ法について
過呼吸ブカツ、光ブカツ、薬物ブカツ、睡眠ブカツなどのほうほうで、異常波を顕著に出現させる