【機能形態学/平滑筋、心筋、骨格筋の違い/末梢神経系/循環器系/呼吸器系/泌尿器系/眼における自律神経系/心臓

平滑筋、心筋、骨格筋の違い
末梢神経系
循環器系
呼吸器系
泌尿器系
眼における自律神経系
心臓

 

平滑筋、心筋、骨格筋の違い

筋組織は平滑筋、心筋、骨格筋に分類され、骨格筋組織は体性神経に支配されていて随意的に動かせるが、心筋と平滑筋は自律神経系に支配され不随意である。また、骨格筋、筋には横紋があり、横紋筋と呼ばれる。

活動電位、筋小胞の発達、伝導速度、細胞間の伝導の仕方、収縮の加重ついて比較すると、まず活動電位では骨格筋はふり幅大で持続は短く、心筋はふり幅大で持続は長く、平滑筋はふり幅小で波形は様々である。筋小胞は骨格筋ではよく発達し、心筋では発達が悪く、平滑筋では少ない。伝導速度は骨格筋では速く、心筋では部位により異なり、平滑筋では遅い。細胞間の伝導の仕方は骨格筋は絶縁伝導、心筋では良好、平滑筋では不良ながらも伝導する。収縮の加重は骨格筋ではするが、心筋ではせず、平滑筋は極めて顕著である。また、心筋には自動性があり、一部の平滑筋にもある。

梢神経系

末梢神経系を2つに大別すると体性神経系と自律神経系に別けられる。これをさらに別けると体性神経系は運動神経、感覚神経に別けられ、自律神経系を別けると交感神経、副交感神経に別けられる。運動神経は有髄で、感覚神経は一部を除いてほとんどが有髄である。自律神経系の交感神経と副交感神経の共通点は両方とも最高中枢が視床下部であること、副腎皮質を除いて神経節を形成すること、神経節における化学伝達がアセチルコリンにより行われ、受容体がニコチン様アセチルコリン受容体であることなどがあげられる。相違点は交感神経において節後繊維からの化学伝達物質がノルエピネフリンに対して副交感神経はアセチルコリンであることや、交感神経が胸髄、腰髄から起こり、交感神経幹に入るのに対して、副交感神経は脳幹、仙髄から起こることなどがあげられる。

循環器系

循環器系は血管系とリンパ系に大別され、血液循環は体循環、肺循環、門脈循環路、脳循環路、胎盤循環路があり、体循環は肺を除く全身に血液を循環させる。動脈の主幹は左心室からでる1本の大動脈で、静脈の主幹は上、下大静脈の二本となり右心房に入る。肺循環は心臓と肺の間に血液を循環させる。主幹は右心室からでる1本の肺動脈幹と、左心房に戻る左、右肺静である。門脈循環路は体循環のうちの静脈経路の一部で、脳循環路も体循環に属し、動、静脈系ともに独立した経路をとる。胎盤循環路は胎児期の循環路である。また、毛細血管には細胞間の結合が密でほとんどの物質を通さない連続型、開口部をもつ有窓型、連続的な基底膜を持たない不連続型が存在し、代表的なものに連続型に血液―脳関網、有窓型に腎小体、不連続型に肝臓がある。

呼吸器系

呼吸器系は気道の部の鼻腔、咽頭、喉頭、気官、気管支、肺門、葉気管支、区域気管支、終末細気管支とガス交換部の呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢により働いている。また、肺は右が3葉、左が2葉に分かれている。

泌尿器系

泌尿器系は体液の恒常性に大きく貢献しており、腎臓による尿の生成が大きな部分を占めている。尿は血液が腎動脈、葉間動脈、弓状動脈、小葉間動脈、輸入管を通り、腎小体により原尿が生成したものを近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管、集合管、腎盤で再吸収を受けた残りで、尿管、膀胱、尿道を通って排泄される。腎小体でろ過された血液は輸出間、毛細血管網、腎動脈を通ってまた循環する。また、血圧が下がるとろ過能力が落ちるため、傍糸球体細胞でレニンが遊離され、アンジオテンシンと反応させ、血圧を上げるアンジオテンシンVを作る。通常のヒトは1日に約160Lの原尿を生成するがそのほとんどは再吸収されて尿になるのは約1.5Lである。

眼における自律神経系

眼が自律神経支配を受けているのは瞳孔括約筋、瞳孔散大筋、毛様体筋で、瞳孔括約筋は副交感神経支配で、瞳孔散大筋は交感神経支配を受け、毛様体筋は交感神経、副交感神経の両方からの支配を受けている。瞳孔括約筋、瞳孔散大筋は瞳孔径の調節をしていて、瞳孔括約筋はコリン作動性薬、抗コリンエステラーゼ剤により収縮し、抗コリン薬により弛緩する。瞳孔散大筋はアドレナリン作動性薬により収縮する。毛様体筋は焦点、眼内圧の調節をしていて、コリン作動性薬により収縮しシュレム管が開き眼房水が流出し内圧が低下すると共に水晶体の厚みが増す。逆に抗コリン薬は弛緩をさせ、シュレム管が閉じ内圧が上昇すると共に水晶体の厚みが減る。

心臓

心臓は自律神経系の支配を受けていて、2心室、2心房に別れていて、組織学的には心内膜、心筋層、心外膜に別れる。心臓には心房筋と心室筋とを結合する特殊筋繊維の走行があり、これを刺激伝導系と呼ぶ。刺激伝導系は洞房結節、房室結節、ヒス束、プルキンエ繊維の順にすすむ。また、心臓には自動性があり、自動運動の第一のペースメーカーとして洞房結節、第二のペースメーカーとして房室結節が働いている。心室の出入り口には弁膜があり、逆流を防いでいる。心臓の弁は2種4個あり、房室弁に左房室弁、右房室弁、動脈弁に大動脈弁、肺動脈弁がある。心臓の栄養血管としては左、右冠状動脈が派出されている。左冠状動脈は2つに別れて前下行枝、左心室の前面を通る順路と回旋枝、左心室の後面を通る順路をとる。右冠状動脈は右冠状溝を通り、分枝し、その後に後下行枝、左心室後面、右心室の大部分の順路をとる。心臓の静脈は冠状静脈、冠状静脈洞を通り右心房に注ぐ。

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