生データはここからダウンできます
【目的】]線回折の原理を理解し、データを解析し結晶構造(今実験では塩化ナトリウム、塩化カリウム等の立方晶系の岩塩方構造)を調べる。
【測定値】、【結果】は別紙
【考察】
・ 同一物質の結晶の繰りかえし周期は一定であるが、ピークがNaclの2θ=28.65、KClの2θ=25.65とで値が、同じ物質の他の繰返し周期とは異なった。今回使用した]線には波長の短いものも含まれているので、その波長に訂正したところ他のピークの繰返し周期の長さとほぼ同じとなり、この角度の時に他の波長とは異なる(より短い)波長が表面とすぐ内側を反射して干渉したものと考えられる。
・ NaCl+KClのデータの処理の際、2θ=25.75の値だけがNaCl、KClどちらと仮定しても立方晶系のMiller指数とならなかった。NaCl、KCl表面でのX線のただの反射の干渉とも考えられたが、KClのピーク2θ=25.65の値と非常に近かったため試しにこのときの波長(このピークは他より短い波長である)で計算したところ、KClでちょうどs=4.065となった。ゆえにこの2θにおけるピークはKClによるものと考えられる。
・ NaCl+KClのデータの処理の際、2θ=66.35、101.45のピークでsをどちらの物質と仮定しても存在する可能性があった。両物質のその付近2θのデータを見たところ、両物質共にピークが確認できた。ゆえにこのピークはNaClとKClによるものと考えられる。
【設問】
(1)
・ 体心立方格子:立方体の8つの頂点と中央に原子が配列している。Cr、Mn、V等
・ 面心立方格子:立方体の単位格子で、各頂点および各面の中心に格子点がある。 最も密な構造の一つで、どの球も12個の他の球に接する。立方最密構造ともよばれる。 Ag、Pb等
・ 最密六方構造:最も密な構造の一つである。六方昌系の格子で、各球は同じ層内の球6個と上下の層の球各3個の計12個の球に接する。Zn、Mg等
・
CsCl構造:一つの格子点にCs一個とCl一個が対応付けられる単純立方格子を持つ
・
ダイヤモンド構造と閃亜鉛構造:面心立方格子を持つ。Cは、面心立方格子の他、これらの座標からすべて1/4ずらした格子点にある。閃亜鉛構造はそのずらした格子点に別の原子が配置された構造となる。
(2)Miller指数
3個の格子点(一直線上にない)は平面を作るが、この平面が座標軸とm,n,o(ここでm,n,oは基底ベクトルを単位としてその整数倍となる)で交わったとする。次にこれらの逆数をh=1/m,k=1/n,l=1/oとする。さらにh,k,lを整数p倍してお互いに素な整数組(h,k,l)をつくる。
このh,k,lをこの格子面のMiller指数という。